小田晃生『春奏』リリース& ソロライブ『春奏の音楽会』前インタビュー

 

星燈社の図案から楽曲をつくる『図案と音楽』。第2弾も音楽家の小田晃生さんに製作をお願いしました。星燈社が企画するライブでいつも力添え頂いているモナレコードの坂本さんを交えたインタビューです。

 

手:音楽家・小田晃生 / モナレコード・坂本

聞き手:星燈社・山本

 

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左:小田、右:坂本

 

 

―― 去年の夏に引き続いて1年ぶり、第2回の対談です。この1年間で変わったことを聞きたいです。

まず今回の対談場所、モナレコードのある下北沢駅の再開発が完了して、人の流れがまた変わった気がします。

 

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小田: 本当に迷いますね。

 

―― 迷った挙句に僕が遅刻して。

モナレコードは駅開発の影響で、ふらっと入ってくるお客さんが少なかったと言ってましたが今はどうですか。

 

坂本: 一時期に比べたらだいぶ増えたましたね。

これから駅前の施設の開発がスタートするとまた変わるかもしれないけど。

 

小田: ライブのお客さんの流れとかはどうなんですか。

それはモナレコードを知っていて目指して来てくれる感じですか。

 

坂本: ライブのお客さんは、そんな感じですね。

 

―― 小田さんでいうと、今年は奥さまがトーチファームの屋号で、農家として独立したっていうのが大きいですよね。

今年一番不安なことは奥さまに負けることだって言ってますよね。

  

 

小田: そうですね。今年の大トピック。始まってしまいました。

具体的な金銭面もですけど、確実に輝きが負けてきている感じが恐ろしいですね。

もうまぶしくて正視できないみたいな…

 

―― トーチファームのインスタグラムを僕も見ているんですけど、すごいキラキラしている。

なんか初期衝動を感じます。

 

小田: それこそやりたい事をやっているっていう自信みたいなものが伝わってくるんです。

僕もやりたい事をやっているんですけど、今そんなにハイペースではやっていないから、この光に飲み込まれて消えてしまいそうな気持ちに。

 

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―― 音楽でもほかの仕事でもそうですけど、初期衝動の先は難しい。

初期衝動の後に続けていくのって、周りから見ても地味で、自分としても飽きる。

そこでいかにペースを保つかはモノづくりする人にとっての課題ですよね。

 

 

 

 

―― 星燈社の「図案と音楽」の話になりますが、まずこの企画は星燈社の図案に楽曲をつけて世界観を広げていくものです。今回小田さんに製作をお願いした図案が『春奏』。

去年がしっとりした冬の曲『雪夜』でしたが、『春奏』は春らしい爽やかな仕上がりになっていますね。

 

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小田: でも実は、内容的に僕の感じ方ではない春の歌詞にはしないといけないなっていうのがあって。

僕の中の春は「また暖かくなるのか、つらい」。

だから、そうじゃない春にしようとあがいた感じですね。

自分の中でのバージョンというか、歌も含めて、何回か推敲しました。

 

―― 前回より難産だった?

 

小田: そうですね。するっとではなかったですね。

 

 
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―― 春というと、暖かくて穏やかなプラスのイメージが強いと思います。

でもこの春奏という図案の背景には、春の旅立ち、別れ、寂しさがあるんです。

だから、たんぽぽのわた毛が飛び立っていく図案でそのテーマを表現しました。

嬉しいけど寂しい、ポジティブさの中にあるネガティブさ。

そういうささやかなネガティブさは小田さんならうまく描けると思ったんですよね。

 

小田: 視点としては、飛んでいっちゃうほうの側のほうに立ってみました。

旅立ちを見守る目線じゃないほうか。何ていえばいいんだろう、前だけを見ている若者の歌詞みたいな。

 

坂本: あまり歌にならないですよね。そういう視点って。

 

―― かつては自分がわた毛、旅立つ側であって、今はいつかお子さんが旅立つのを見守る側ですよね。

今の気持ちもいつのまにか忘れるし、30代半ばの今だから書けた曲な気がします。

 

小田: そうですね。劇中曲を書いたみたいなイメージがありますね。

でも、達観しないほうがいいんだろうと思ったんですよね。

「先のことなんか分かんないけど、うるさいことを言ってくれるな」みたいなスタンスがいいと考えたので、

どんな風に今の自分とのバランスを取って歌詞にするかを考えましたね。

 

 

 

―― 『春奏』のCDは2曲入りです。カップリングは、小田さんの持ち曲で『僕はこわくなった』。

『春奏』は旅立ちを前向きに見守っていこうというテーマですが『僕はこわくなった』は、

手元から幸せがなくなってしまう怖さがテーマにある気がします。

 

小田: 自分がいなくなっていくことも含めて、ですね。

だから『僕はこわくなった』と『春奏』というバランスでやりたいって聞いて、なるほど、と腑に落ちる部分が大きかったですね。

 

―― 同じことを歌っているけどベクトルが逆で、お互いに補完し合う曲にできたらいいですよね、と小田さんがおっしゃってました。

ところで『僕はこわくなった』ができあがったのはどんな時だったのでしょうか。

 

小田: 『僕はこわくなった』はうちの奥さんが1人目の赤ちゃん、息子がおなかにいるときにすごい狭い8畳ぐらいの部屋に一緒に2人で住んでいて。

そこで、もう8時ぐらいに眠くなっちゃって奥さん寝るんですけど、夜中に暗くした部屋の中でこそこそ書いてたんですね。9年前です。だから、実際は親になる前に作った曲。ぎりぎり前ぐらい。

 

―― なるほど。恋愛の曲にも聞こえるし、子どもを思う気持ちにも聞こえますよね。

 

小田: 恋愛の曲のつもりで書いていました。

 

 

―― いろんな聴き方の余地があるって、良いですよね。

この後、新しい挑戦としてやっていきたいことってありますか?

 

小田: ソロのアルバムは作りたいですね。曲はだいぶあってタイトルも決まっているんですけど。着手がまだできていない。

あと今、奥さんの作った野菜を僕がライブに持っていって、その場で売るっていうのをやります。「歌いますよ」だけがトピックだと、だんだんみんなそれだけじゃ足りなくなってくるもんだと思うんですね。なので、なんか武器にさせてもらおうと思って。

 

 

―― 夫婦で全然、別のことをやっているのにつながるって面白いですよね。

奥様から言われて、役に立った一言ってありますか? 

 

小田: 「地味で地道であるのが小田君の生き方なんじゃないのか」みたいなことは言われました。派手なものを狙いにいったりとかそういうことはしなくていいんじゃない?と。

僕は音楽で成功したり音楽で暮らすためには、何かホームランみたいなものが必要なんじゃないのかって多分、思っていたし、そのためにどうしようかってずっと考えてたからなんでしょうね。そういう言葉をもらったときはなるほどって思いました。

 

―― 坂本さんはいかがでしょうか。

 

坂本: 「もっと休んだ方がいいよ、私のように」って言われますね。

 

小田: それも面白いですね。休むのってだんだん下手くそになりますよね。

 

坂本: 下手になっちゃう。

 

小田: 今から先は、だれかに言ってもらわないとバランス取れない気がします。

どんどん自分っていうものが凝り固まっていくと思うんで。

 

坂本: 言われないのもちょっとね。

 

―― 僕はいい話だけ聞いていたいですけどね。

ネット検索のときも「星燈社 かわいい」で調べたりして。

坂本くんがモナレコードでこれからやりたい事はありますか。

 

坂本: 遊んでいるように働きたいですね。

 

小田: そういう感じは、確かにモナレコードとしても大事そうですね。

 

―― スタッフも集まりそう。楽しそうに働くって、いろんな面からみて大事ですね。

 

坂本: 自分はいつも楽しいんですけど、それを表現して共有していくっていうのはまた違う問題なので。

 

小田: 健全でいるためのバランスみたいなのがあるってことですね。

僕もライブをしないと、ちょっと内省的になっていくときがあるんで、発散させてもらっているかも。

 

 

―― 星燈社は今年で10年なのですが、10年続けてやっと世の中から認めてもらえるというのはすごく感じます。

だから、去年スタートした「図案と音楽」も星燈社主催のライブも、まずは10年続けていくことを考えています。

小田さんにはまた作品作りをお願いしたいので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

小田: よろしくお願いします。

 

―― 締まったかな、これで。

 

坂本: 今回、全然面白い話していないけど大丈夫?去年のナイキの話みたいなやつ。

 

小田: ナイキみたいなやつはなかなかないっすね。

 

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